医療を必要とする人の自宅や介護施設などを訪問して、在宅療養を支える仕事が訪問看護です。訪問看護師として働くうえで必要な能力の一つが、観察力です。利用者の普段の状態を把握し、異常を早期発見することで状態悪化を最小限に抑えられるように、細やかな観察が欠かせません。
また、コミュニケーション能力も必要となってくるでしょう。ちょっとした体調や気持ちの変化に気付けるように、利用者とコミュニケーションを十分に取ることが大切です。そのうえで利用者の生活スペースに入っていくことになるため、失礼のない丁寧な対応や適度な距離感が肝心と言っても過言ではありません。
さらに、利用者やその家族と医師の間に入り、橋渡しを担うことは珍しくありません。そのため、訪問看護に限らず在宅療養に関わる人たちが、滞りなくサポートできる環境づくりも大切です。
そして、訪問看護をするうえでは、持久力も重要な要素です。訪問看護の仕事では、天候や距離に関係なく1日に何件も訪問することがあります。都内を訪問する際には自転車を使用したり、時には利用者とともに近所を散歩したりすることもあるかもしれません。そのため、体力や精神力を維持することも訪問看護師にとって必要です。
利用者にとって今何が必要でどんな問題があるかを、自ら利用者やその家族、医師、ケアマネージャーから情報収集し、主体的に行動できる能力もあると良いでしょう。指示を待つだけでなく、臨機応変に対応できる看護師はどこでも重宝されます。