訪問看護のケアは、利用者の生活に深く寄り添える大きなやりがいがあります。しかし、病院とは異なる個人的な環境だからこそ、特に注意すべき点があります。
それが、プライバシーへの配慮です。訪問看護の現場は、利用者にとってのプライベートスペース、いわば自宅です。
病院という公的な場所とは違い、自宅は利用者にとって最も私的で安心できる空間といえます。訪問看護師は、その私的な空間にお邪魔しているという感覚を常に持つ必要があります。
そのため、利用者の自宅の様子やご家族の状況などを、外部に不用意に話したり、匿名でSNSなどに書き込んだりすることは、絶対にNGとなります。
利用者の情報だけでなく、ご家族の生活状況も大切なプライバシーの一部であることを理解し、守秘義務を徹底しなければなりません。
また、訪問の際には、プライバシーを守るための細やかな配慮が必要です。たとえば、ノックをせずに勝手に部屋に入らない、施錠された引き出しなどを勝手に開けない、ご家族間のデリケートな会話に立ち入らない、といった形で気をつけましょう。
医療的な処置を行う際も、他の家族の視線に配慮し、カーテンを閉めるなどの工夫が欠かせません。
自宅という生活の場に入り込むからこそ、訪問看護師はより一層、利用者のプライバシーと尊厳を尊重する姿勢が求められます。利用者とご家族が安心してサービスを受けられるよう、常にプロとしての自覚と細やかな注意を持ち続けなければなりません。